事務所名 東京GODO会計 税理士 多勢 陽一 |
所長名 多勢 陽一 |
所在地 東京都江東区亀戸 6-2-3田辺ビル6F |
電話番号 フリーダイヤル 0120-77-2514 |
FAX番号 03-3684-2740 |
Eメール tase-yoichi@tkcnf.or.jp |
業務内容 ・パソコン会計による月次決算支援業務 ・独立、開業支援業務 ・経営相談に関する業務 |
東京税理士会 江東東支部所属 |
『お金の流れである金融システムは、金利を前提に、シンプルかつ厳然とした掟(ルール)によって貫かれています。
その掟とは、銀行とのお金のやり取りは、①必ず「貸し借り」の形態となる、②借りたお金は必ず増やして返す、③増やさなければならない額は借りた時間と連動するの三つです。』(禅とマネー 生田一舟著より)
借金はある意味、タイムマシーンのような働きをしてくれる。あるモノを欲しいと思っても手元にお金を持っていなければ買うことはできない。しかし、借金をすれば今すぐ欲し物が手に入り、手に入れた満足感やモノを使った利便性を享受することができる。借金は、貯蓄に要する時間を金利を使ってショートカットして、所有欲や利便性といった人の本能をくすぐる。
お金そのものも「金融の掟」に従っている。日本銀行が印刷した紙幣は、銀行に貸し出され、銀行が借りて得たお金を企業などに貸し出されて社会に流通することになる。銀行に預けたお金は銀行に貸しているので金利収入があり、その預金は誰かが借りてショートカットに使っている。この借金の連鎖よる信用創造によって、私たちは豊かな生活を手に入れている。
この金融システムを成立させるためには、常に拡大再生産を続け、社会全体が消費を増やさなければならず、人口が増加し借金をする人が増え続けなければならない。日本の打つべき手は人口を如何に増加させるかにかかっているのだが…。
資本主義経済の商売の鉄則は「投下資本の回収」。胴元が投資総額の半分をはねる宝くじでさえ、宝くじを買うという資本(お金)投下がなければ回収はない。
商売では、儲けのもとになるヒト・モノに資本(お金)を投下するのだが、先ずその投下するお金を集めなければならない。貸借対照表の貸方、負債・資本の部にどこから、いくら、お金を集めたかが表示されている。その集めた資本(お金)をどのように使われたか(投資したか)は貸借対照表の借方、資産の部で確認できる。
例えばA社が、資本金500万円、銀行借入金500万円の資金を集め、800万円の商品を仕入(資本投下)し、その商品が仕入れた以上の金額で売れ、経費を差し引いても投下した資本(お金)以上に回収できれば儲け、この回転を繰り返せば儲けは倍々に増える。
貸借対照表の貸方、負債・資本の部の合計金額が、会社の投下資本の総額になるので、A社の場合、負債・資本の部の合計額が1,000万円、経費を差し引いた利益を50万円計上できれば投下資本に対する利回りは5%、いわゆる総資本経常利益率が計算される。
事業を拡大していくためには、①投下資本の額を多くする、②資本投下から回収までの期間を短くして資本の回転率を高める、③経費を最小限化する、の組合せが必須。利益の蓄積と銀行借入とのバランスを採ること、効果的な資本投下と回転率を高めることが経営の醍醐味。
「国民が反対する多段階、普遍的、網羅的で投網をかけるような大型間接税はとらない」と公約して、中曽根内閣は昭和61年の衆参同時選挙で大勝した。翌62年に日本型付加価値税として「売上税」を打ち出したが、公約違反との批判を浴びて「売上税」は廃案となった。
その年(時は昭和バブルの絶頂期)に発足した竹下内閣で「売上税」から看板を書き換えた「消費税」が国会で可決成立し、平成元年4月から「消費税」がスタート。
「多段階、普遍的」という約束は反故にされたものの、課税売上高3000万円以下の事業者の納税を免除することで「網羅的で投網をかける」に、税率3%で「大型」に配慮した。中曽根「売上税」は厳格なインボイス方式を前提としていたが、竹下「消費税」は帳簿方式を採用し、加えて簡易課税制度も採り入れ、納税手続きの簡素化をアピールした。
その後、消費税率は3%→5%→8%→10%となり、事業者の免税点も1000万円まで引き下げられた。
令和5年10月、インボイス制度がスタート。経過措置はあるものの免税事業者に支払った消費税相当額は仕入税額控除が認められなくなるため、インボイス発行事業者への転換が図られる、小規模事業者への課税強化という側面と、黙って消費税を負担している最終消費者から見た課税の透明性を担保する側面を合わせ持つ。
施行から35年、消費税収は23兆円と国家税収の3分の1を占める。
①可用性バイアス 本当に必要とするデータではなく、簡単に思い出せる情報に基づいて判断を下してしまう。
②後知識バイアス ある事象が起こると(事後)、起こる前(事前)よりもその事象が起こる確率が高かった、と思い込んでしまう。
③帰納の問題 情報が十分ではないにもかかわらず、一般法則を導いてしまう。
④連言錯誤 90%の確率で起こる七つの事象はすべて起こると思いがちな一方、10%の確率で起こる七つの事象のうち少なくても一つが起こる確率は低く見積もりがちだ。
⑤確証バイアス 最初の仮説を、覆す証拠よりも、それを裏付ける証拠ばかり目がいく。
⑥混入効果 近似している情報は、たとえ関連性がなくても決定に影響する。
⑦感情のヒュースティクス あらかじめ頭にある価値判断が、コストや効果の評価に影響する。
⑧範囲の無視 規模が異なる被害を避けたい場合に、払うべき犠牲を規模に応じて調整できない。
⑨測定の過信 信頼区間を狭く取ってしまう(たとえば「最良」のシナリオと「最も確率が高い」シナリオをない交ぜにする)
⑩傍観者の無関心 集団になると、個人としての責任を放棄しやすい。
(投資の科学-あなたが知らないマーケットの不思議な振舞 日経BP社より)
投資に限らず、人生で出くわすあらゆる場面で、この「認知上のワナ」に陥って判断を誤まらせてはいないだろうか。
事業者の消費税の納税額は、売り上げ時に預かった消費税から支払いに含まれていた消費税額を控除して計算する。この支払い時の消費税(仕入税額控除)を厳格に計算するために導入されるのが10月から始まる、インボイス制度。
従来の消費税は、仕入税額控除の適用を受けるためには、法定事項が記載された帳簿と請求書・領収書などの保存が要件とされた。インボイス制度では、適格請求書等の保存と法定事項が記載された帳簿の保存とインボイス保存が優先される。軽減税率の導入により複数税率が存在することになり、正しく納税額を計算するためにインボイスは不可欠というのがこの制度の建前なのだが…(~_~;)
(~_~;)①大きく違ってくるのが、免税事業者への支払い。従来は消費税の課税対象となる支払いをした場合、帳簿に消費税を合わせて支払った旨の記載があれば、相手を問わず、全額消費税額控除が認められた。インボイス制度では、経過規定があるものの、適格請求書に基づく支払いのみ仕入税額控除の対象となり、納税義務者たる事業者への課税強化という側面もある。
(~_~;)②インボイス制度では一つの取引に一つの帳簿記載が原則となるので、支払額を集計して一括計上はできなくなる。会計伝票は今までより増加するのは必須。
(~_~;)③適格請求書には相手先事業者の氏名や名称を記載しなければならず、小売や飲食の領収書を除き、上様領収書では消費税を控除できなくなる。
話題のチャットGPT、試してみた。これさえあれば、学校の宿題から税理士試験の理論問題の解答まで、らくらく及第点は取れそうな優れモノ。しかもキーボードを叩くことなくパソコンへの話しかけに答えてくれる、AIの進化に驚かされます。
時にチャットGPTもウソを言う。参照したネット上の情報に誤りがあれば答えも間違うのは当然といえば当然。AI万能時代でも情報の良質性を判断し、正誤を見極める良心はいまだ我々が優っている。
会計も進化を続けており、インボイス制度、電子帳簿保存法の制度改正を機に一気にDX化が進展しようとしている。皆様に使って頂いているFX会計システムを、TKCデータセンターを利用したクラウド会計にすることにより、紙で保存してきた証憑書類はすべて電子証憑としてデータセンターに保存が可能となり、読み取った電子証憑から仕訳が生成され、常に仕訳伝票と連動して閲覧することが可能になる。加えて金融機関やクレジット会社から取引データをダウンロードすることにより定型的な仕訳は自動生成される仕組みも構築できる。
商業高校に入学し、そろばんを習い、インク瓶から付けペンで記帳する実習が簿記の最初の授業だった50年前からみれば隔世の感がある。
今後、使って頂いている会計システムをクラウド会計に切り替えて頂くことで、会計の合理化、効率化が実現できます。是非、AIの進化を実感してください。
赤字続きで会社の経営は可能か。会社から赤字分の資金が流出することになり、誰かが不足した資金を補填しない限り、会社の継続は難しくなる。唯一、所有している資産(不動産・有価証券)が値上がりし含み益があり、その資産を担保に金融機関からの融資を受けられれば流出した資金は補填され一時しのぎにはなる。しかし黒字転換を図らないかぎり、いずれ資産を売却して融資の返済に充てざる得ない。
会社の現金を増やす方法は、次の3つしかない。
① 資本金を増額して出資を仰ぐ
② 他人から借金をする
③ 利益を出して利益の中から現金を蓄える
それぞれのハードルは高い。①の増資は、わが社に出資してくれる奇特な人を探し、出資後は毎年株主総会に召集して決算報告をしなければならない。②の借金は金融機関が融資してくれたとしても、毎月の元金利息の返済義務に加え、決算書・月次試算表の情報開示は必須となる。
③の利益を出して現金を蓄える場合でも、利益に対して一定の法人税等の納税が伴うことになる。利益=現金となれば理想だが、利益は売掛金や在庫、設備投資に紛れてしまい、何年かの黒字化を継続して初めて利益=現金が実感できるようになる。
今後、人材確保が難しくなることが想定され、働きやすい職場環境と充足された賃金の支給が求められるが、何より利益が出ていなければ無い袖は振れないことになり、「社長というもの つらいもの 顔で笑って 腹で泣く」。
「支払った消費税がキチンと国庫に収まっていないとな」と憤る最終消費者、
「消費税なんか預かっていないし」と戸惑う取引弱者の免税事業者、
「インボイスが始まると事務処理がタイヘ~ン」と嘆く経理担当者、
と三者三様のインボイス制度。
インボイス制度を一言でいうと、仕入税額控除を厳格化して消費税の税収を増やす仕組みと言える。
10月以降、インボイス発行事業者でない事業者に支払った消費税は原則、仕入税額控除できなくなり、支払った課税事業者の納税額が増加することになる。国は激変緩和のため、免税事業者へ支払った仕入税額控除の経過措置を設けたり、免税事業者がインボイス事業者を登録した場合には預かった消費税の2割納付で済む特例を打ち出してはいるが、この混乱はしばらく続くことに。
日本の消費税課税の問題点として、消費税の納税義務免除が1千万円と高いことが挙げられ500万人とも言われる免税事業者が存在することになり、インボイス制度が始まると、もろに影響を受けることになる。輪をかけて消費税には一般消費者が消費税を含めた支払額が認識できるようにするため総額表示義務があり、免税事業者が税込み金額で取引している場合、消費税を預かっている意識すらないのが実情だろう。
免税事業者が、収入を税抜金額+消費税で受領している場合にはインボイス登録をして2割納税を覚悟し、税込金額で受領している場合には取引先と相談・交渉が混乱解決のはじめの一歩。
2023年の税制改正大綱には、相続開始前に贈与があった場合の相続税の課税価格への加算期間について3年以内から7年以内に延長する改正案が盛り込まれた。
具体的には、令和6年1月1日以後の受贈財産から、相続開始から3年以内に受けた受贈財産に加え、贈与相続開始4~7年前の間の期間の受贈財産について、その贈与時の課税価格の総額から100万円を控除した残額が加算される措置が講じられる。暦年贈与(110万円贈与)が相続税対策に使われ、富裕層優遇との指摘に対する改正案だ。
相続税への持ち戻しについて、諸外国と比べて3年では短すぎると言われてきた。ちなみにアメリカの遺産税では、一生涯分の贈与について加算させる仕組みをとっていて生前贈与による遺産税対策ができないようになっている。
さて、扶養義務者から配偶者・子・孫への生活費や教育費の贈与で、通常必要と認められるものについては、贈与税は課税されない。親から子・孫への資金移動があっても、生活費の教育費に消費されてしまっていれば税務署は目くじらを立てるものではない。その資金が現金、株、不動産などで留保されている場合に贈与税と対象と認定されてしまう。
この改正案が成立してもなお、暦年贈与を相続税対策として有効に使う場合、まず本人が健康で長生きし贈与の期間を長く持つこと、そして争続を回避するために贈与する対象の親族へは均等に贈与をしておくことも肝要かと。
国家を形成し、運営するためには税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。毎年の税制改正では国のやりたいこと(国民にとっては負担?)が色濃く反映される。2023年度の税制改正案を平たく解説すると、
①防衛費4兆円増額に伴い、法人税・所得税・たばこ税の増税で1兆円を賄う。我々の生命と財産を守るために必要な国防費であれば、ウクライナの悲劇を繰り返さないためにも、堂々と国民負担を明示すべきだが中途半端感が拭えず。
②インボイス制度により、売上1千万円未満の免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合、預かった消費税の20%納付で済む軽減措置を3年間設ける。500万人とも言われる消費税を納めない免税事業者の納税促進を図る側面も持つインボイス制度だが、消費税計算は煩雑になるばかり。
③「貯蓄から投資へ」の流れを加速させるため、NISAを拡充して非課税期間を無制限にする。配当や分配金、譲渡益にも課税されない期間が無制限はうれしい限り。高配当株式への投資に利用すればいいかも。
④相続税申告に取り込む生前贈与を3年から7年に延長。駆け込み相続税対策の封じ込めと、生前贈与の前倒しで受贈者の消費を促す両面作戦だ。贈与したお金も使わず残しておいてほしい、が贈与者の本音なのだが???
⑤エコカー減税、ガソリン車は対象外へ。エコカー増加は環境には優しいが、ガソリン税収で賄われている道路維持の予算が細ってしまう懸念も。