事務所名 東京GODO会計 税理士 多勢 陽一 |
所長名 多勢 陽一 |
所在地 東京都江東区亀戸 6-2-3田辺ビル6F |
電話番号 フリーダイヤル 0120-77-2514 |
FAX番号 03-3684-2740 |
Eメール tase-yoichi@tkcnf.or.jp |
業務内容 ・パソコン会計による月次決算支援業務 ・独立、開業支援業務 ・経営相談に関する業務 |
東京税理士会 江東東支部所属 |
『今日、われわれの価値観は少しでもキレイなもの、かたちがそろったもの、手がかからないもの、速いもの、便利で楽なもの等、そういう方向ばかりを追求した結果、現在のような問題が起こっているのではないでしょうか。
自然の世界は汚く、ぶざまで、不釣り合いであります。昔のトイレのように、くさいのが自然であります。
最近では、曲がっているキュウリを「訳ありキュウリ」と呼んでいるそうですが、私から言わせれば、まっすぐできれいで、つやつやで全く虫のつかないキュウリの方が「訳あり」であります。ゆがんで、虫が食ったキュウリの方がよっぽど自然のキュウリであります。
ゆがんだキュウリを「訳ありキュウリ」という、そういう価値観を改めていかなければならないと思うのであります。
あいつが悪い、あいつがけしからん、というどんな争いでも元を正せば、すべて人我の争いであります。我をたてて争うのであります。
我のないところにどうして争いがおきますか?』
(「いろはにほへと」 鎌倉円覚寺 横田南嶺 法話集より)
イギリスのEU離脱、アメリカ次期大統領にトランプ氏選出と選挙前の予想を翻して排他主義が勝利し、2017年はグローバルから反転、世界は内向き保護主義に傾斜するのだろうか。
自然に暮らす「訳あり」が違う「訳あり」に権利を脅かされている、と非難した所で、自分たちだけに都合のいい「いいトコ取り」ができるほど地球は広くもなく、豊かでもなくなっていないか。少子高齢化に伴う人口減少による労働力不足が日本の経済成長の阻害要因になるとして、6月に「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定された。その一環として、女性の社会活躍を阻む壁(103万円の壁)が所得税の配偶者控除制度にあるとして、来年の税制改正に向け配偶者控除制度の廃止を含め抜本的な見直しが検討されていた。 ところが「これを無くすと選挙に勝てない」の一言で急にトーンダウンしてしまった。
配偶者控除制度は、家電製品が普及しておらず家事や育児がまだ重労働だった昭和36年に、家事を担う妻の役割を評価して創設された。働く女性は年々増え、夫婦世帯に占める専業主婦の割合は平成26年では38%まで減少しており、 配偶者控除制度の意味合いが薄れてきている。
もう一つ、女性の社会活躍を阻む「第3号被保険者」130万円の壁がある。厚生年金に加入している人に扶養されている配偶者が「第3号被保険者」に該当し、自分で国民年金を払わなくても65歳から老齢基礎年金を受け取ることがでる。どんな状況になっても女性が公的な老後保障が受けられるよう昭和61年にスタートした。
「第3号被保険者」の老齢年金年額が50万円だとして90歳まで25年間受給すれば、保険料の負担なく1250万円を受給することになり、これほど専業主婦に優しい制度はなく、半面、働く女性からは不公平との声も上がる。
「家事を担う妻の役割」「女性の年金権の確立」女性への優しさが時代の流れに揺れている。
会社の決算書は、株主総会の決算承認を経て法人税申告書とともに申告期限までに税務署へ提出される。
融資を受けている金融機関からは決算書の提出を求められる。取引先からは決算内容の問い合わせがあったり、 リサーチ会社から決算内容の確認問い合わせがある場合もある。また公共事業の入札に参加する場合、決算内容の開示が必須となる。
当然ながら決算書は単一でなければならない。
この決算書の見方は、税務署と債権者(金融機関)では視点が相反する。
税務署は徴税の上で申告所得に間違いはないか、申告漏れに繋がる否違事項はないかという観点から決算書をみるし、金融機関や取引先は取引の安全性や融資金の保全から決算書の資産性に問題はないか、粉飾はされていないかという観点から決算書を確認する。 売掛金という勘定科目を例にとっても、税務署は売上の計上漏れに繋がる売掛金が除外されていないかと確認し、金融機関は資産性の乏しい回収不能な売掛金が計上されてはいないかと真逆な観点から決算書の内容を確認する。
超低金利時代に突入し、借り手は低コストで資金調達が可能になったが、貸し手はむやみに連帯保証人を付けられる状況でもなくなり、融資金の焦げ付きを避けるべく融資先の査定はより厳しくなっている。
「中小企業の会計に関する基本要領」という共通のモノサシに準拠した会計と決算書による情報開示が求められる 背景がここにある。
「会社を楽にしたいと懸命に働いているのに現金がない」何度眠れぬ夜を過ごしたことか。
資本主義は、投下された資本が社会を運動してより大きな現金となって回収され利潤や余剰価値を生む体制、と定義される。 経営は、会社の持っている創造力を社会が受け入れ、投資した現金をより大きくして回収ことを繰り返す行為なのだから、会社の現金は忙しく飛び回って当たり前、目の前に滞留しているわけもない。
事業を始める時、潤沢な資本金をもって始める場合は稀で、大抵はなけなしの資金から始まる。売上が上がる前に設備や在庫を用意し、給与など固定費の支払いが先行するので現金は羽根が生えたように飛んでゆく。
会社の業績が拡大するにつれ取引量も増えるので、蓄積される利益以上に現金は在庫や売掛金に出払ってしまい、人手不足から新たな募集をしてさらに固定費の支出も増え、懸命に働き業績が好調であるゆえ、納税資金が追い打ちを掛けて、儲かっているのにお金がないと資金繰りに追われる。
会社が安定期に入り好調な業績が維持されていれば、ようやく納税後の利益の蓄積が現金の増加として現れ一安心まで漕ぎつける。
会社の現金がいつも手元には居てはくれないのだが、一定期間の後に現金として会社に舞い戻ることを確かめなければならない。 現金が行ったきりで帰ってこないワースト3は、①棚卸し、②売掛金、③過剰な固定費。 目を掛け続けないとすぐに増殖して現金を食いつぶしてしまう。
英国のEU離脱派の勝利、米国の大統領選挙におけるトランプ氏の正式候補など、今年の前半の特徴はポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭といえる。
ポピュリズムは、「複雑な政治的争点を単純化して、いたずらに民衆の人気取りに終始し、真の政治的解決を回避すること」と訳されている。
資本主義は、常に勝者と敗者を作り出す。自由貿易とグローバル化の発展過程では全員が勝者となり、資本主義は成長してきた。しかし、成熟期を迎え経済成長が鈍化するにつれ、一握りの勝者と多くの敗者を生み出すことになり、ポピュリズムによる保護主義が民衆に受け入れられる事態となった。
日本では消費増税の先送りという「アメ」を打ち出して参議院選挙で与党勢力が勝利した。
参議院選挙でも社会保障の充実が声高に叫ばれたが、有権者に高齢者の比率が高ければ高いほど、今日の利害と30年後の利害を問われれば間違いなく今日の利益を選択するのだからこそ、痛みを伴う負担という「ムチ」もあることを明確にすべきではないか。
「後代への負担のつけ回し」を「若肉老食」と表現する造語がある。幼い孫を連帯保証人にして借金を繰り返し、今の生活水準を維持していると、言ったところだろうか。
莫大な借金返済に苦しんだ「のび太」の子孫は、借金をさせないための監視役として100年後の未来から「ドラえもん」を送り込んだが、(WHATS NEW 2012.09.03参照)
安倍さん、「ポピュ」より「ドラ」にならなきゃ。
『まるで犬みたいに朝から晩まで働いて、きつかった。お金を稼いで君が喜ぶ色んなものが買いたくて、今日もくたくたさ。家に帰ったら丸太ん棒のように眠るさ、そんな思いの帰宅の夜道。でも家に帰れば何もかも満足さ。家に帰って、しっかり抱きしめてくれる君を感じると僕はきっと大丈夫さ』
(ビートルズ「A Hard Day’s Night」より)
消費増税が平成31年9月まで延期され、当然、食料品等を対象とした軽減税率もインボイス制度の導入も延期となる。消費者の立場としても、事務負担を強いられる事業者の立場としても増税延期を密かに願ってはいたものの、二度と延期しないはずの増税延期を発表してしまい、いささか拍子抜けだ。
二度の延期で4年分の消費税収20兆円が歳入欠陥となり、赤字国債の増発による財政悪化も懸念される。
安倍政権は「少子化・女性活躍の推進・教育再生」のため「働く意欲のある女性にとって働きやすい環境を整備するための見直しを丁寧に検討していく」として、そのための最大の課題である、配偶者控除の見直しをはじめとする働きたい女性が就労調整を行うことを意識せずに済むような税制改正を目指す考えだ。
配偶者控除の廃止、配偶者控除の適用に所得制限、移転型基礎控除の導入などが検討されているが、所得控除をいくら弄り回しても効果は限定的ではないだろうか。働く喜びと損得計算を天秤に掛ければ、103万円の壁、130万円の壁があるように可処分所得が最大になるための最小労働を計算するはず。子と一緒にいる時間こそお母さんの生き甲斐だもの。
そもそも方向性が真逆な「少子化・女性活躍の推進・教育再生」を一括りにして実現させようとすることに無理はないのだろうか。子は国の宝と言うのであれば、出産・子育てが女性にとってステータスが高く魅力的なことと感じられる社会の条件整備こそが不可欠と思うのだが…。
都市であろうと国家であろうと、規模の大きな共同体ならば、時が経つにつれて欠陥があらわれてくることを避けることはできない。
それゆえ、「医者」が必要になってくる。
つまり、時代の変化につれて変わってくる要求に対処できるような、制度の改革が必要になってくるのである。
ただし、この場合の医者でも、ヤブ医者であっては困る。改革の必要度が高ければ高いほど、それのできる力量豊かな人物の登用が求められねばならぬ。
困難な時代には、真の力量を備えた人物が活躍するが、太平の世の中では、財の豊かな者や、門閥に支えられた者が、我が世の春を謳歌することになる。
衆に優れた大人物は、国家が太平を謳歌している時代には、得てして冷遇されるものなのだ。なぜなら、彼の力量をもってすれば当然与えられるはずの地位や名声も、人々の嫉妬心が奪ってしまうからだ。
これは共同体にとって有害この上もないことであると同時に、共同体自体の衰退につながる損失である。
(マキアヴェッリ語録「政略論」塩野七生著より)
安倍首相がどんなに旗を振っても一向に景気が上向かずデフレから脱却できない原因に、人口減少による高齢化が挙げられている。景気の好循環は人口増加による人口ボーナスによって生み出される、というものである。
人口増加をどのように実現するかを最優先の政策課題にあげる大人物こそ、選挙に出馬して欲しい。
碁は芸術である。碁には個性、生き方、その人間のすべてが表れる。
無限に続く芸の道は厳しいが、ひたむきに歩むものは幸せだ。
人間を高め、力をつけよ。自分にしか打てない碁を追及せよ。
これだけは伝えたい。
強烈な努力が必要だ、ただの努力じゃダメだ、強烈な、強烈な努力だ。
名誉棋聖 藤沢 秀行
AI(人工知能)とプロ棋士の囲碁対戦において1勝4敗で人間が負けた。すでにチェスや将棋ではAIが勝利を納め、次の手が200通り以上考えられる囲碁が最後の砦となっていたが、ついにAIが人間を超えるほど進歩し、しかも藤沢棋聖のような強烈な努力を重ねた先の最高レベルの頭脳戦での敗北となった。 会社の資金を増加させる要因は、①資本金を募る、②借入れをする、③利益を出して留保する、この3つしかない。①資本金を募る
我が社の株式を喜んで買ってくれる人が何人いるだろうか。当然、出資者には利益を出して配当という形で応えなければならない。
②借入れをする
金融機関も慈善事業ではないので、利息をつけて元本をキチンと返済してくれる信用のおける会社にしか融資はしてくれない。
③利益を出して留保する
黒字=法人税の納税と直結するためか、黒字決算を毛嫌いする経営者も中にはいる。赤字だったら法人税を納税しないから得だ、という訳です。赤字決算は、赤字分だけ確実に会社から資金が流出する貧血状態を意味する。減価償却費の計上分で赤字になったとしても、結局その分の資金留保がされないため、その固定資産を買い換える資金は会社内には溜まらず、いずれ資産の新陳代謝が図れない老化現象がやってくる。
不動産の価格が右肩上がりでインフレだった昭和の時代には、会社の決算は赤字でも不動産の含み益が赤字を上回っていれば、②の借入れをする作戦もマルでした。最悪でも不動産を売却すれば借金は決済できましたから。
日本の総人口が減少していく状況が続く限り全国津々浦々右肩上がりは望めない。会社の経営基盤を安定させるには、黒字にして実効税率30%のハードルを乗り越え、自己資本をできるだけ蓄積しなければならない。
国家を形成し運営するために税収は不可欠であり「税は国家なり」と言われる所以でもある。毎年の税制改正では国がやりたいこと(国民にとっては負担?)が色濃く反映される。平成28年度の税制改正大綱を平たく解説すると、
①消費税の軽減税率制度を導入して、買い物時の痛税感の緩和を実感して頂きます。軽減分の1兆円の財源確保は28年度末までに考え捻出します。
②軽減税率制度が始まれば、事業者には従来の「帳簿保存方式」に加えて「適格請求書保存方式」(インボイス)を導入し、国民の支払った消費税が事業者にとどまらないよう厳格に対処します。事業者の皆さんは平成33年までに「大変さ」に慣れてください。
③念願だった法人税実効税率20%台を実現するので国際的にも見劣りはしません。ただ財源の確保も必要なので課税ベースを拡大して法人税全体の税収は減らないようにして、法人優遇と非難されないよう努めます。
④地方の偏在是正措置として地方法人税の税率を引き上げ地方交付金の財源として地方に配り、あわせて企業版ふるさと納税も創設して地方を元気にします。
⑤国際取引には目を光らせ租税回避行為がない様、国家間の連携を強化します。
⑥クレジットカードでも納税できるようにするので税金を納めてね。
アベノミクス効果により税収は増加したものの、2020年までの基礎的財政収支黒字化目標には遠く及ばない。参議院選挙対策などと目先に捕らわれず、大局をもった社会制度と税制を実現してもらいたい。
平成29年4月の消費税率10%への引き上げ時に軽減税率の導入が決定し、外食と酒類を除いた生鮮・加工食品について税率が8%に軽減される。
所得の低い層について支出に占める消費税の負担割合が多くなる逆進性を緩和するための軽減税率であるが、導入決定までの右往左往は、自民と公明のメンツの張り合い、官邸と自民税調の縄張り争い、主計局と主税局の財務省内の主導権争いが繰り返され、最後は夏の参議院選挙を有利に戦うための政治決着となり、弱者救済とは程遠い所で法案が決定してしまったのが残念でならない。
統計上、日本の貧困率は16%となっており、960万世帯が世帯年収200万円以下で生活していることになる。今回の軽減税率が適用された場合の税収の減少額は1兆円とされており、この1兆円を960万世帯数で割ると1世帯あたり10万円となる。仮に200万円すべてを食費の購入に充てても軽減される消費税は4万円に過ぎない。いっそ軽減税率など止めて10万円を貧困世帯に振り向けた方がその世帯の消費税負担は大幅に軽減され、はるかに弱者救済にならないか。マイナンバー制度により所得の捕捉も正確にできることだし。
減収1兆円の軽減税率のためにあらゆる業種でインボイス(税額票)の発行が求められ、レジの買い替えなど事業者は更なる事務負担とコスト負担を強いられる。これらのコストが販売価格に加算され小売価格の上昇を招けば、消費者もいらぬ支出を強いられ、何が軽減なのか?